社員10人規模の機械部品加工製造業、しかも、DX化がまったく浸透していない状況を前提にした 「AI最小導入プラン」 の作成例を挙げてみます。
ポイントは「いきなり大規模な投資はせず、無料 or 低コストツールを使い、「小さな成功体験を積む」ことです。
■ 機械部品加工製造業向け AI 最小導入プラン（10ステップ）
1.目的設定（無料）
「AIで何を解決したいか」を明確にする。
（例：受発注の手間削減、不良品の削減、日報の簡略化）
2.既存業務の棚卸し（無料）
手作業や紙ベースで非効率な業務をリスト化。
（例：紙の作業日報、Excelでの在庫管理、手書き伝票）
3.資料のデジタル化（無料〜低コスト）
紙のマニュアルや作業指示をスマホスキャンアプリでPDF化。
4.生成AIの導入（無料）
ChatGPT（無料版）やBing Copilotで社内質問対応や書類作成を支援。
（例：作業手順を入力して「新人向けにわかりやすく書き直して」と依頼）
5.日報の効率化（無料）
社員がスマホやPCで簡単に日報を書き、AIで自動要約して管理者向けレポート化。
6.経理・事務作業の自動化（低コスト）
無料のOCRツール（Google Driveなど）で請求書や伝票をデータ化。
Excel＋AIで仕訳や入力補助を実施。
7.品質管理のサポート（無料〜低コスト）
不良発生状況をExcelに入力し、AIに「傾向分析」させる。
（例：「この半年で不良が多い要因を分析して」と依頼）
8.営業・受注対応の改善（無料）
見積書や顧客メールをAIで下書き生成し、時間短縮。
9.社内教育の効率化（無料）
新人教育資料をAIで要約・FAQ化して「社内AIマニュアル」を構築。
10.小さな成果の見える化（無料）
「AIで日報処理時間が月10時間削減できた」など効果を数値で社内共有し、次の導入に繋げる。
■ 特徴
費用：ほぼ無料（生成AIやGoogleの無料サービス中心）
スキル：PC・スマホ操作レベル
一歩：紙資料をデジタル化＋ChatGPTで業務補助
成果：事務工数削減、新人教育効率化、不良削減の兆し
■ 導入プラン例
◇1か月目：準備と小さな試行
1.導入目的を決める（1週目）
経営者＋現場で「どこにAIを使いたいか」を決定。
（例：日報簡略化、見積書作成補助、紙資料の整理）
2.資料のデジタル化（1〜2週目）
スマホで紙マニュアル・作業指示をスキャン → PDF化。
3.AIツール試行（3〜4週目）
ChatGPT無料版やBing Copilotを導入。
実験：「日報を要約」 「作業手順を新人向けに分かりやすく書き直す」
◇2か月目：業務への小規模導入
4.日報・報告業務の効率化（1〜2週目）
社員が日報をPC/スマホで入力 → AIに要約させて管理者確認用レポートに。
5.事務作業の自動化（OCR活用）（2〜3週目）
無料のGoogle OCRで請求書や伝票を読み取り → Excelに入力。
AIに「入力データを集計・整理」させる。
6.品質管理データの分析（3〜4週目）
不良発生記録をExcelで整理 → AIに「傾向」や「改善案」を質問。
◇3か月目：定着と成果の見える化
7.新人教育のAIサポート（1週目）
マニュアルをAIに要約させて「新人向けFAQ集」を作成。
8.営業支援（見積・メール）（2週目）
見積書や顧客メールの下書きをAIで生成し、時間短縮。
9.成果の数値化（3週目）
日報処理時間を月◯時間削減
伝票入力作業を週◯時間削減
成果を数字で共有
10.次のステップ検討（4週目）
効果があった分野を振り返り、次に広げる領域（在庫管理、発注管理など）を決定。
ポイント
・最初の1か月は“遊び感覚”で試す
・2か月目で日常業務に一部組み込む
・3か月目で成果を数値化し、定着＋拡大準備
